打撲・ねんざ・骨折などの治療について

打撲・ねんざ・骨折などの治療について

打撲・ねんざ・骨折などの治療は、受傷直後の初期治療が大切です。例えば、高齢者の場合には、骨折をきっかけに足腰が弱ってしまう場合があります。骨折や脱臼をそのままにしておくと、後遺症の危険がありますので、なるべく早く受診されることをお勧め致します。

当院では、正確な判断と、適切な初期治療を行うことで、早期の治癒と後遺症の減少を図ります。

打撲について

いわゆる打ち身のことでどなたでも経験があると思います。一般的に打撲をすると皮下組織を傷つけ出血するため、皮下に青黒く出血斑が出現し、腫れてきます。一般的に軽度の打撲であれば、湿布を貼って包帯で圧迫固定を施行すれば1週間から2週間ぐらいで完治します。

ただし、関節周囲の打撲や出血・腫脹の強い打撲では専門家による固定や施術を要します。特に、関節周囲の打撲では、関節運動のたびに傷ついた組織が動き、同じ程度の関節周囲以外の打撲と比較して、通常よりも多くの内出血や腫れが起こります。

また、その出血した血液が線維化していく過程で、関節組織が部分的に癒着したり、しこり状の瘢痕組織が関節機能を司る組織の運動を妨害することにより、関節拘縮を生じます。関節拘縮を起こすと半年や1年の治療期間を要し、場合によっては後遺症として関節拘縮が完全に治らないままの状態で固まってしまうこともありますので、関節周囲の打撲や重度の打撲では、早急にご来院されるようにして下さい。

ねんざについて

ねんざの症状は、どの関節に傷を受けたのか、あるいは靭帯損傷の程度によってさまざまです。一般的には、関節の痛みやはれ、そして皮下出血といった症状が見られます。

はれや皮下出血の症状がハッキリとあらわれている場合には、じん帯が断裂している可能性があるので、早めの受診をお勧めします。また、ねんざの症状が長引いてなかなか治らないと思っていたら、実は骨折していた…という話もよく聞きます。痛みやはれの症状からねんざが疑われる場合には、患部を固定して冷やしながら安静を保って頂くとともに、大掛かりな治療が必要になる前にご来院下さい。

骨折について

交通事故やスポーツ時など、さまざまな場面で私たちは骨折する可能性があります。日常生活でもつまずいて転んだり、ちょっとしたことが骨折のキッカケになったりもするでしょう。

骨折にはさまざまなケースがあり、範囲や重症度も異なります。足、手、骨盤…など骨折の部位によって、もちろん治療法も違います。基本的に骨はとても丈夫にできていますが、何らかの原因でその骨の強度以上に大きな圧力が外から加わったときに、骨折が起こります。骨折とは読んで字のごとく、骨が折れた状態をいいます。この病気(というか、けが)には、いくつかの種類に分けられます。聞いたことがあるものには、「複雑骨折」と「単純骨折」があります。前者は筋肉や皮膚が破れて、その傷口から骨が出ている状態で、後者は皮膚が破れていない状態です。

外傷性骨折

ほとんどは、外傷が原因で起こるとされています。転倒や転落、衝突、交通事故などが挙げられます。なかでも、高い場所からの転落や交通事故などによって、骨に強い圧力がかかったときには複雑骨折になったり、他の臓器が破裂することがあります。

疲労骨折

運動のしすぎも原因の1つです。同じ部分に集中して繰り返し力が加わることで、小さなヒビがたくさん入ります。それが積み重なり、やがては骨折してしまいます。この疲労骨折は、スポーツ選手に多く見受けられます。

病的骨折

骨の病気が原因で、骨そのものがもろくなってしまい、少しの衝撃にも耐えられずに骨折します。もとになる病気としては、骨腫瘍やガンの転移、骨粗しょう症、骨髄炎、大理石骨病などが挙げられます。

折れてしまった骨を元の位置に戻して固定することが、骨折治療の目的になります。まず、骨を元の位置に戻すことを 「整復」といいますが、これには牽引や徒手によるものと手術によるものがあります。一方、固定にはギプスや添え木を使った外固定と、手術による内固定や創外固定があります。骨がくっつくまでにどれくらいの時間がかかるかは個人差がありますが、一般的には大人よりも子供のほうが早く治るため、牽引治療のみで済んだりもします。どの治療を行うかは、骨折部位や炎症の程度によって決まります。